頭皮の下にある髪の部分を毛根といい、この毛根のいちばん下にある毛乳頭という部分で髪はつくられます。
毛乳頭の周囲にある毛母と呼ばれる細胞群が、周囲の血管から髪の生産に必要なアミノ酸などを吸収し、細胞分裂を繰り返して増殖します。
できたての細胞は少しずつ頭皮の表面に向かって押し上げられ、髪となって皮膚の表面に達すると1日で約0.3mm、1か月で約8~10mmの速さで伸び、3~6年で成長期を終え、抜け落ちていきます。
抜け落ち、約3か月の休止期を過ぎると、毛母細胞群がまた細胞分裂を始め、新しい髪の成長がスタートするのです。
このサイクルによって、1日平均50~70本の毛髪が自然脱毛するといわれています。
図1のように毛髪は外側から中心に向かって順にキューティクル(毛小皮)、コルテックス(毛皮質)、メデュラ(毛髄質)の3層に分けられます。
ウロコ状の硬い無色透明なものであり、根元から毛先に向かって竹の子の皮のように重なり合っています。キューティクルはコルテックスを保護する役割があります。しかし種々の原因でキューティクルの損傷が起きると、コルテックスの損傷を引き起こすことになります。このため、髪が健康か傷んでいるかはキューティクルの状態で判断できます。 図2,3は健康な髪と傷んだ髪のキューティクルの状態を表した顕微鏡写真です。
毛髪の大部分(85~90%)を占めている層です。コルテックスには毛髪の色を表すメラニン色素を含んでおり、薬剤の作用も受けやすいので、ヘアカラーやパーマと最も関連性のある部分です。
メデュラの機能はまだ充分に解明されていませんが、太い毛には量が多く、細い毛ほど少なくなり、全く無いものもあります。